日本映画・洋画を問わず、ネタバレ・あらすじを交えて感想(レビュー、 批評、 解説…?)を語りながら、映画の魅力を再発見していきましょう。ラストを明かすことも。 【ネタバレ注意】 『シリアスマン』の主人公ラリー・ゴプニック教授の劇中での講義が、「シュレーディンガーの猫」と不確定性原理なのが面白い。作品のテーマと密接に結びついており、ニヤリとさせられる。 もちろん、どちらも前世紀の初めに唱えられた基礎的な考えであり、大学で講義されるのは当然だが、あえてこの二つを説明するシーンを挿入するのがコーエン兄弟らしい。 主人公ラリーは、わざわざ可愛い猫の絵を描いて学生たちに「シュレーディンガーの猫」の説明をしている。 「シュレーディンガーの猫」とは、箱の中の猫の生死が外部からは判らないという物理学上の例え話である。判らないどころか、箱の中では猫が生きた状態と死んだ状態が重なり合っており、生か死か白黒つけ