「40年 間違えていた筆順で自戒」と題した投書が毎日新聞(07年7月9日付け)に掲載されていた。投書者は50歳の会社員だそうだが、たぶん投書マニアなのだろう。新聞記者が喜びそうな展開と結論を書いている。この投書者は、自分が書いていた字の筆順が、テレビ番組で間違いだったことを教わり、40年間間違えて覚えていたことを恥じ、現在「正しい筆順」に戻そうと苦労しているそうだ。 「大人になると、家族や親友でもないかぎり間違いを指摘してくれない。一事が万事。もっと大きな間違いで過去どれだけ恥をかき、陰で笑われたことだろう。二度とそれがないようにと、いま切に祈っている」 もしかすると新聞記者が手を入れているかもしれないが、いかにも新聞投書の典型のような文章である。記者もこの投書に同感したから掲載したのだろうが、こんなどうでもいいことを、仰々しく掲載するとは…。 「正しい筆順」なんてないのだ。こんな