■「正当化」思想の論理と心理 2007年1月。今この国を「美しい国」だなどと、誰にも言わせない。 ポール・ニザンをもじって、そう言いたくなる。 私の念頭にあるのは、今月に予定されている2つの出来事である。1つは、国外退去処分を命じられた群馬県高崎市のイラン人、アミネ・カリルさん(43)一家の入管出頭が今月12日に定められていること。もう1つは、すでに他の方々もお伝えしていることだが、大阪市・長居公園の野宿者テント村に対する行政代執行(強制排除)が今月中にも行なわれるだろうこと。 私にできるのは抗議のファックスを送ることぐらいでしかないが、不思議なのは、こういう問題が起きると、「不法」滞在者(超過滞在者・非正規滞在者と言い換えるべきだろう)や野宿者によって特に被害をこうむったわけでもない人たちが、何か鬼の首でも取ったかのように、日本は法治国家だとか、強制排除(強制退去)は当然の措置だとかいう