昨日その一端を紹介したミクロ的基礎付けを巡る議論*1に絡んで、David Glasnerが興味深いエピソードを紹介している(Economist's View経由;UCバークレーのデロングも論評抜きで取り上げている)。 GlasnerがUCLAで経済学を学んでいた1960年代末から1970年代初めに掛けて、マクロ経済学を再構成しようという動きは盛んになっていた。そのおよそ10年前に、UCLAの経済学部は、間違いなく20世紀後半の最も偉大な純粋ミクロ経済学者であり、これまでに書かれた最も素晴らしい経済学の教科書の共著者でもあるアルメン・アルキアン(Armen Alchian)を中心にその姿を整えていた*2。 アルキアンは、広告や在庫や企業や契約や失業といった日常的な経済事象は、一般均衡理論が前提とする完全情報と不確実性の存在しない世界では存在しない、ということを見抜いていた(その前にコースやハ