欧州中央銀行(ECB)の次期総裁はアメリカ人にするべきだ。ドイツのリベラル系週刊紙ツァイトの記者シルベイン・ブロイヤーはそう提案した。以下は、その翻訳の一部。 現職のトリシェ総裁の後任はアメリカ人しかいない。欧州にも必要な能力をもつ優れた人材はがいるのは確かだが、今後ECB総裁が直面する課題に取り組むには、通貨同盟に対する従来の考え方を劇的に変える必要がある。 過大な借金で傾いているユーロ諸国に対しても、次のECB総裁は喜んで「最後の貸し手」としての役割を果たさなければならない。今日の欧州では、ECBが最後の貸し手になることこそが通貨統合の本質だということはほとんど認められていない。だがアメリカでは、それが主流の考え方だ。 だが鵜呑みにはできない。ECBの哲学が今日の事態と相容れないという指摘は確かだろう。だが残念なことに、今はアメリカ自身も金融当局幹部のポストを埋められなくて四苦八苦して