ポイント 新たな細胞内の情報伝達機構を発見し、従来の理論に拡張を迫る 国産の細胞シミュレーターE-Cellに搭載し、次世代スーパーコンピュータで活用拡大 細胞のがん化や幹細胞の分化の予測と制御などに貢献 要旨 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、細胞内に存在する分子1つ1つの運動まで精密に再現する革新的な細胞シミュレーションの要素技術の開発に成功し、従来の理論に拡張を迫る発見をしました。これは、理研基幹研究所(玉尾皓平所長)生化学シミュレーション研究チームの高橋恒一チームリーダーとオランダの原子分子物理研究所のピーターレイン・テンウォルデ教授らとの共同研究の成果です。開発した新技術は、国産の細胞シミュレーターE-Cell※1の次世代版に搭載し、神戸に建設中の次世代スーパーコンピュータで活用し、複雑な機能を持ち、生命活動の根幹となる細胞を丸ごとシミュレーションすることを目指します。