「女にしか渡さないはずなのに、なぜおれに?」 繁華街で手渡された小さな袋。ポケットティッシュだと思って受け取ったものは、生理用ナプキンの試供品だった。 さいたま市の文筆業、石巻拓海(41)=仮名=は幼い頃からよく女性に間違われてきた。ホルモンや染色体の異常により、男女の特徴をさまざまな組み合わせで持つ性分化疾患の患者だ。 「半陰陽なら自分で性を選べる」。石巻はある日、同じ疾患を抱える患者の輪を広げるために開設している自身のブログに、こんな書き込みがあるのを目にして思った-。「性を自分で選んで生まれてくる人なんていない。男女どちらか分からない状態で生まれてきたから困っている」 大阪府の橋本秀雄(49)は「オバハンみたいなオッサンやろ」と大きな声で笑う。ふっくらとした体つき、薄いひげ…。性分化疾患の自助グループ「PESFIS」を主宰する。 生まれつき小さかった男性器は3歳になっても発達せず、男