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ブックマーク / shirooo305.hatenablog.com (7)

  • 新海誠監督から見る風景『クロスロード』 - Paradism

    先日公開された新海誠監督による短編アニメーション『クロスロード』。Z会のCMのために制作されたこの映像ですが、そこに込められた祈りのような想いは一貫して新海監督の根底に根付いたものを繊細に切り取ったフィルムであったように思えます。 特に120秒verにおいてはその冒頭に、そして15秒、30秒verにおいても同様にその主題として置かれた 「遠くにいきたい」 という熱の篭る言葉*1。『ほしのこえ』や『雲のむこう、約束の場所』から辿れば全ての作品において描かれていたであろう“遠くを見据える”ことへの美学、そして“夢に向かい手を伸ばす”ことの尊さを、僅か2分弱で描き出してみせた『クロスロード』は言うなれば監督自身の祈りや願い、夢そのものの象徴でもあったのだと思います。 それも言うなれば“叶うことはないだろう”と思わせたこれまでの物語の数々(それは例えば、『ほしのこえ』 における恋人との再会であった

    新海誠監督から見る風景『クロスロード』 - Paradism
  • 『凪のあすから』 5話・6話にみる 『光』 と 『影』 についての見解 - Parad_ism

    アニメ雑感最近になり、ようやく12話まで視聴した 『凪のあすから』。シナリオとしてだけでなく、映像的にも当に素晴らしい作品だなぁという印象で、毎話観るごとにどんどんこの世界観と彼らの関係性から紡がれる物語に惹き込まれてしまうわけですが、その中でも特にグッときた幾つかのシーンが同じ類いの意図をもって描かれているように感じられたので今回はそのことについて少し纏めてみようと思います。 それも “陽の光があたる瞬間”、その “導き” が画面に滲む一瞬とでも言えばいいのでしょうか。多くのしがらみや想いの交錯が起こり続ける物語の中でありながら、それでも前へ進もうと視線を上げ、その一歩を踏み出した者たちへと贈られる “祝福” の陽射しがこの作品世界においては物語の節目節目で度々射し込まれているような、そんな感覚が凄く残っているというか。 特にそういった印象が顕著だったのが5話Bパートのラストシーン。美

    『凪のあすから』 5話・6話にみる 『光』 と 『影』 についての見解 - Parad_ism
  • テレビアニメED10選 2013 - Paradism

    前回の記事に引き続き、今回はED10選となります。放映季順、他順不同、他意はなし。敬称略。視聴した作品からのみの選出で、選出基準はOPの方と同じく 「とにかく好きなED」 です。 俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる / W:Wonder tale 演出・絵コンテ/出合小都美の素晴らしさ。淡い色彩とファンシーな画面が地続きとなって映されるそれはもう観ているだけで胸がときめく凄く素敵な映像の連なりだなと。“夢” というコンセプトに “修羅場”という名の次のステージ。最終回EDに繋がる4人の寝顔含め、作品を一度通して観た後だと多くのことを連想させられてしまう力強さもこのEDの強みですね。田村ゆかりさんの楽曲と歌声も相変わらず素晴らしく、映像との相乗効果ほんと半端ないです。 僕は友達が少ないNEXT / 僕らの翼 幸せと不幸が混在するストリングムービー。多くのモチーフが二人を否定していく中であって

    テレビアニメED10選 2013 - Paradism
  • テレビアニメOP10選 2013 - Paradism

    もはや恒例になりつつありますが、今年もこの企画に参加させて頂きます。去年に比べて一週間程はやい選出になりますが、まぁこのぐらいの時期ならということで。例によって放映季順、他順不同、他意はありません。敬称略。視聴した作品からのみの選出で、選出基準も去年と同様 「とにかく好きなOP」 です。 俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる / Girlish Lover 2013年度序盤。冬期放送枠にして眩いほどの輝きを放った素晴らしいOP。乙女の会みんな仲良すぎでしょってくらいに観ていて凄く楽しい上に、とても癖になる楽曲とそこに映される映像の連弾、そしてその中で栄える彼女たちの可愛らしさに心底グッとくるなと。足先から指先までとても綺麗に、また可愛く映り込んでいる辺り、自らの自らによる自らのための演出ほんと極まってるなぁとか思います。真涼さんの変なポーズは不変のオアシス。 ビビッドレッド・オペレーション /

    テレビアニメOP10選 2013 - Paradism
  • 『あいうら』 の変化と再演 - Parad_ism

    アニメ雑感アニメにおける再演。時として物語の普遍性や変化を描き、またその中で生き続けた登場人物たちの成長をも切り取ってくれるそれは、まさにそれまでに存在した全十数話の物語を圧縮した映像の重なりであり、だからこそそうして比較された序盤と終盤における1カット、1シーンの一つ一つからはそれこそ言葉に出来ないような感慨が溢れ出るのではないかと思います。 「ああ、彼女たちは当に成長した」 「もうきっと、ここから先は大丈夫」 「だから彼女たちはこれまでも、これからも。そうして足並を揃えた生きていくのだろう」 そんな、まるで胸に突き刺さるような想いをある種の感動共にもたらしてくれる“繰り返し”の美しさ。 それはとても雄弁でいて寡黙な、まさしく映像の妙味とも言うべき心地の良い魅せ方でもあるのでしょう。 特に 『あいうら』 における12話(最終回)から1話へ向けての再演は何度観ても素晴らしいものがありまし

  • 『ジブリールシリーズ』から『猫物語』への系譜 - Paradism

    昨晩放送された『物語(白)』のOPが素晴らしかったわけですが、そのディレクターを担当していたのがなんとURAさん。美少女ゲーム・エロゲをそれなりに嗜んでいる方なら多くの人がその手によって手掛けられたデモムービーを視聴したことがあるのではないかと思いますが、その手腕はTVアニメという映像表現の場においてもいかんなく発揮されていたように感じます。 www.youtube.com 有名なのは数あるパロディ動画を生み出した『いただきじゃんがりあんR』のOPが顕著ですが、特に『物語シリーズ』でキャラクターデザインをしている渡辺明夫さんとのタッグでは『魔界天使ジブリール4』『戦国天使ジブリール』などのジブリールシリーズの他、同社作品のグリザイアシリーズのOPなども同様に手掛けており、どの映像も素晴らしいクオリティとなっています。その中でも個人的に一番気に入っているのがこの『魔界天使ジブリール4』のO

    『ジブリールシリーズ』から『猫物語』への系譜 - Paradism
  • 目線の共有と、その向こう側に映り込む風景を見る / 『ゆゆ式』 1話 - Parad_ism

    アニメ雑感, ゆゆ式先日放送されたアニメ『ゆゆ式』。それはまさしく私が想い描いたあの『ゆゆ式』を確かにその場所に描き出してくれていたわけですが、しかしそこに動きや声、表情や視点などといった映像としての面白さが付加されると、今までそれとなくしか得られていなかったこの作品への理解が、大きな確信に変わったと言いますか。もちろん、それは “漫画『ゆゆ式』としての理解” からは遠く離れているのかも知れませんが、自分の中に存在する『ゆゆ式』という物語そのものについてはこの1話がもう答えになっていると言っても過言ではないくらいに、それは強い感覚で。 特にアバンにおけるその感覚は顕著で、「唯→空→ゆずこ→空→縁」とパンしていくカメラワークと、そこからその空に重ねて描かれる立ち並ぶ三人といったOP冒頭の構図はまさしく、“三人による世界の共有感”をそれだけで十二分に描き切っていたのではないかと思います。それぞ

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