レンタルサーバ上に保管してあったユーザのデータが,業者側の何らかの不手際により滅失したという事例。本件とは別に,類似の裁判例が平成21年に出ていますが,それは別途取り上げます。 事案の概要 建築業者Xのホームページを管理していたISP業者Yが,メンテナンス作業中に誤ってXらのデータを削除した(データ復旧できず)。YからXに対し,仮に3000万円が支払った。その後,XからYに対し,既払金を差し引いた約1億円の損害賠償を求めたのに対し,YはXに対して,3000万円は払いすぎたとして,約2600万円の返還を求めた。 この事故が起きたのは2000年。容量10MBの契約で,Xはウェブサイトを開設して顧客の誘引を行っていた(CGIなどはなく,その他にも動的な仕組みはなかった模様)。ウェブサイトはXとXから委託を受けた別の業者が作成し,ftpによってYのサーバにhtmlファイルをアップロードするという手