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ブックマーク / ojohmbonx.hatenablog.com (3)

  • ともみあたしともみ - OjohmbonX

    あたしとともみって親友じゃん? てか神友じゃん? だからはっきり言うんだけどー。あたし、ともみのこと嫌いってかんじする。 あ、ちがうちがう、嫌いってっても、いい意味で嫌いだから。 だーょ。あたしたち神友じゃん? わるい意味で嫌いだったらそれって神友じゃなくない? それって敵だし。 で、なんで嫌いかっていうと、くさいから。 ともみってくさいよ? 小さいときからくさくない? セミ炒めたみたいなにおいするじゃん。 えー? 今知ったの?? うけるー。 うけるんですけど。 あたしさぁー。 ずーっとともみがわざとセミみたいなにおいさせてるって思ってて。ちがうとかびびるよね。自動的にセミ臭いとか。 あ、でもでもぜんぜんイケてるってー。あたしがショップの店員ならそう言う。 あたしはともみのこと嫌いだし、みんなもともみのこと嫌いだけど、夏になると、すっごいいっぱいオスのセミ、いっつもともみにたかってるじゃん

    ともみあたしともみ - OjohmbonX
  • 善き羊飼いの子は羊 - OjohmbonX

    「ハーイ」 かん高い声を聞いて甚六は、ヘーベルハウスを、意識しないまま心の底で一瞬期待しながら振り返るとしかしそれは、イクラちゃんだった。甚六にはまるで分からない。なぜ、いつから、自分の部屋にイクラちゃんがいるのか。 「チャーン」 さらに振り返ると別のイクラちゃんがいた。甚六にはますます分からない。なぜ二人もいるのか。 「ハーイ」「チャーン」「ハーイ」「ハーイ」「チャーン」 ころんころんとイクラちゃんは増えていく。甚六は分からない。どこからイクラちゃんが出てくるのか。なぜこんなにもいるのか。けれどともかく、イクラちゃんはいる。際限なく増えてゆく。増えて、この二階の六畳間はイクラの海になった。しかし考えてみればイクラなんだもの、うじゃうじゃいるのが正しいような気も甚六にはしてくるのだった。 豊饒の海は甚六の膝丈ほどの深さで蠢いている。明るい栗色の細い髪が美しく海面を覆って揺らめいている。 ば

    善き羊飼いの子は羊 - OjohmbonX
  • つつきつつかれ - OjohmbonX

    白刃をだらりと提げた噂の辻斬りを面前にしてもなお平内は、自身が標的とは露ほども考えなかった。名のある遣い手を選ぶと噂の辻斬りが、まるで剣に疎い自分に用のあるはずもないと信じきっていた。 「抜け」と辻斬りに言われるまま訝しげに刀を抜くに及んでようやく、自分が斬られようとしていることと、その理由に思い至った。 平内は今世話になっている家へ、死んだ親の残した金で買った免許皆伝を提げ、 「私から剣術を奪えば何も残りますまい」などと嘯いて転がり込んだ。ずいぶん剣術に熱心な家主が子弟専属の剣術家を探していると耳にしたのだった。住み込んで平内はただちに馬脚を現した。 「貴様、剣などさっぱりではないか」と詰る家主にしかし 「さようで」と笑っていたら、何となく呆れて許されたのだった。そのや子供たちからも気に入られ、それから家事や雑務や子供の世話をしてほとんど下男のようにその家に留まっている。およそ二百五十

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