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ブックマーク / www.jpic.or.jp (1)

  • 「大学読書人大賞」―伊藤計劃という「視点」

    『ハーモニー』 伊藤計劃 ハヤカワ文庫 756円(税込) 2010年12月 21世紀後半、世界的混乱を経て、人類は大規模な福祉厚生社会を築く。そんな見せかけの優しさが氾濫する世界で、少女たちは自殺を試みる。世界の混乱の陰に死ねなかった少女は、ただ一人死んだはずの少女の影を見る。 推薦文No.5-6 中央大学文学会 あなたには、憧れの作家がいるだろうか。 魂の中枢に刻み込まれた、座右の書があるだろうか。 私にはある。伊藤計劃と、彼の遺したその作品群だ。 伊藤計劃は二〇〇七年にデビューし、わずか三編の長編を遺して惜しまれつつも早逝した、日のSF作家だった。 その三編にあって、彼の遺作といわれているのが、この『ハーモニー』だ。つまり、この『ハーモニー』は、差し当たっての彼の「最新作」なのだ。そして、もう彼の次回作を読むことはできない。 読み返す度、これほど新たな気づきを与えてくれる作家を、私は

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