大垣 尚司 [青山学院大学教授・金融技術研究所長] May. 06, 2019, 08:30 AM ビジネス 23,311 10連休中、「平成に置いていくべき金融の悪弊」をテーマに集中連載を行ってきた。正直なところ、平成に置いていきたいものはまだまだあるのだが、今回が最終回ということで、世上あまり指摘されないもののなかから、筆者が一番気がかりに思っていることを指摘しておこう。 「借りやすい」住宅ローンは誰のためのもの? 平成時代を通じて企業の設備投資が伸び悩むなかで、家計投資である良質な住宅の建築支援は、単に住宅政策としてだけでなく経済政策としても大きな意味をもつことになった。 バブル崩壊後、商業不動産への取り組みには慎重にならざるを得なかった銀行も、ますます住宅ローンに注力するようになる。こうして、住宅ローンを「借りやすく」することが重要な経済政策となった。 ここで気をつけてほしいのは、