Colaboが保護女性にコンドームを配布している件があまりよくない炎上の仕方をしているので、「メンタルヘルス領域の支援者」としての立場からコンドームを配ることの是非や支援の現状について解説しようと思います。 筆者の立場をざっくり説明すると「セックスワーカーにコンドームを配布する支援は世界標準のもので有効性がある」とは認識しているのですが、「Colaboの支援手法は肝心のところを見落としているのでむしろ当事者を危険に晒している」とも考えています。 それぞれの理由について、以下で詳しく綴っていきましょう。 「ハーム・リダクション」という考え方ハーム・リダクションとは「苦痛の軽減」を意味する対人支援についての考え方です。もともとは薬物依存の当事者を対象に考案されました。 1980年代、米国やヨーロッパでは麻薬中毒者による「注射器の使いまわし」が深刻な社会問題となっていました。麻薬それ自体も問題で