この夏、三田通りに、目を惹くファサードのビルディングが登場した。慶應義塾大学東別館、慶應義塾ミュージアム・コモンズの拠点となる施設だ。ペンマークをあしらったパネルとガラスが、ランダムなグリッドを構成する白いファサードに対して、キャンパス側には植栽に彩られたテラスが設けられ、図書館新館、塾監局、図書館旧館、そして福澤公園の緑に繋がる、一体感のある空間が形作られている。 交流を生み出すあたらしい大学ミュージアム「慶應義塾ミュージアム・コモンズ(KeMCo)」のコンセプトは、松田隆美機構長が2020年3月号の本誌で詳述している。以来半年が経過し、施設の整備はもとより、さまざまな活動プログラムの準備が急ピッチで進められている。 そこで、今月から7回にわたり「あたらしいミュージアムをつくる」と題して、KeMCoで展開する具体的な活動を担当者からお伝えしていく。初回となる今回は、あたらしいビルディング