英メディアは4月16日、英ポーツマス大学の研究チームがペットボトルの原料PETを分解する酵素の研究を成果を一斉に報じた。プラスチックは自然分解が難しく、プラスチックごみ問題は年々注目を集めている。PETの酵素分解が実用化できれば新たな突破口となる。同研究の背景には、奈良先端科学技術大学院大学の吉田昭介特任准教授率いる日本人科学者らが、2016年に米科学誌サイエンスに掲載された画期的な論文がある。 酵素は、たんぱく質またはたんぱく質と低分子の化合物から成り、生物の細胞内で合成され、生体内での化学反応の触媒となる高分子化合物の総称。吉田准教授らは、ペットボトルや衣服等の素材であるPET(ポリエチレンテレフタレート)を栄養源とする微生物が発見できれば、その生物機能を利用して、低エネルギーの「PETバイオリサイクル」の実現が可能だと考えた。自然界よりPET分解菌を探索すべく様々なサンプルを採取して