年末年始は食料を買い込んで引きこもっていたのだが食うものがいよいよ無くなり今日10日ぶりに外に出てみた。 すると通りを行き交う人間のブサイクさに目を見開いた。 何ということだ老若男女揃いも揃ってブスばかり。 表情は常にこわばっており恐らく親子同士友人同士話しているだろうに薄ら笑みを浮かべた顔はまるで出来の悪い蝋人形のように温かみなど感じないのだ。 何ということだろう。 肌には艶がなく血色という物を感じさせない。 幼子ですら腹話術に使うプラスチック製の人形のようではないか。 おぞましい。 生身の人間というのはこんなにも醜いのか。 この10日間、テレビに映る芸能人や映画の俳優ばかりを見てきた。 その中で比較的不細工な顔が映ればやれやれこの世界には俺以外にも面構えの出来損ないがいたのかと驚いていたものだが世間とは何とも恐ろしい物よ。 夕飯時にもなればさんざん引きこもっていた俺よりもよっぽど歪んで