恋わずらいと強迫神経症−「心配力」の研究(3) ナショナルジオグラフィックスの最新号(2006/2)が面白い。(p.124) イタリアのピサ大学教授で精神医学を研究するドナッテラ・マラズィッティは、恋わずらいを生化学的な側面から研究している。自らの二度ほどの恋愛経験から、恋の恐るべきパワーを実感した彼女は、恋愛と強迫神経症に共通点があるのではないかと考えるようになった。 彼女らの研究グループは、恋わずらいにかかっている被験者24人の血中セロトニン濃度を測定した。(中略) 恋わずらいの人と強迫神経症の患者のセロトニン濃度を調べ、どちらにもかかっていない人と比較すると、前者はいずれも、血中セロトニン濃度が正常な人より40%も低くなっていた。わかりやすく説明すると、恋と強迫神経症は、化学的にはよく似た状態だということだ。 恋に振り回されて悩んでいる人にとっても、そうした抗うつ薬は高い効果をもたら