故郷の風景、異世界に 原点は祖母からの話 引っ込み思案で人見知りだった。外から変えようと「無理やり」東京へ出た。少女漫画の世界で自らを開放し、世界へ発信するようになった。 ◇ 幼いころ、祖母が夜ごと小泉八雲やエドガー・アラン・ポーの物語を話してくれた。2歳上の絵が上手な姉と、漫画を貸し借りして遊んだ。 特に好きになった漫画家は萩尾望都。ヨーロッパを舞台にした吸血鬼の伝奇「ポーの一族」など少女漫画の枠を超えた作品に夢中になった。トレーシングペーパーで萩尾の絵を写し、友達に見せた。「ほかの子は『キャンディ・キャンディ』とかが好き。いまひとつ話が合わなかった」 高校で美術部に入る。だが「勉強についていけず、ずっと落ちこぼれ。何にも自信が持てなかった」。これではいけない、と発起。「無理やり外から変えないと変わらない。富山に残ったら、これっきりと思った」。東京の女子大に進み、
◆支援学校 卒業したけど… 総合支援学校の高等部を卒業したものの、受け入れ先が決まらない若者が少なくない。障害の程度に応じた受け入れ先とのマッチングが難しいうえ、近年の不況も影を落とす。親、施設、学校はどう対応しようとしているのか。周南市でNPO法人が運営する小規模施設を訪ねた。 ◆企業の採用減・施設満員 周南市城ケ丘5丁目の住宅街に、NPO法人「徳山ポレポレくらぶ」が運営する障害者通所施設がある。ある日の午後、利用者たちは、仲間に贈る寄せ書き作りに取り組んでいた。 くらぶは約10年前、親の負担軽減のため、親が希望する時間帯に障害者(障害児を含む)を一時的に預かる「レスパイト」サービスを独自で開始。他のサービスも合わせて、今では登録者は68人に増えた。 下松市の植田聖名子(みなこ)さん(49)の長男(18)は、知的障害があり、知能は5歳程度。くらぶのデイケア事業を月3回利用してい
神戸有数の観光地・北野の中心部に、17年前の阪神大震災で壊れて廃虚になった異人館がある。市は所有者の税滞納で物件を差し押さえたが、なかなか買い手はつかない。9回目となる28日の公売で、当初の6割引きの格安で売りに出す。 若い女性ら観光客が行き交う異人館街のほぼ中心、通称オランダ坂に面する場所に、その異人館「バジャージ邸」はある。 市教委文化財課によると、大正時代に建てられた木造2階建ての洋館で、戦前はイラン総領事の自宅として使われた。1980年に文化財保護法に基づく伝統的建造物に指定され、81年から「ペルシャ美術館」として公開されていた。 経営の行き詰まりから94年に閉館し、翌95年の阪神大震災で被災。建物の西側は完全に倒壊し、東側も屋根や壁が一部崩落している。所有者に建物修復の意思はなく、2003年に指定が取り消された。 市はこの指定解除に先立つ98年、所有者の市税滞納により土地
◇スポーツ・料理雑誌/授業で60時間活用 高校の学校図書館が様変わりしている。書店のような飾り付けや企画による情報発信など工夫する図書館もある。26日には県立高校の司書がフェスティバルを開き、今どきの図書館について活動を紹介する。 ◇生徒の要望取り入れ 春日部市の県立春日部東高校。昼休み、5階の学校図書館はにぎわっていた。本の返却にきた2年生の田中果歩さんと槙田保奈美さんに、司書の木下通子さんが「どうだった?」と声をかける。「チョーおもしろかった。(内容が)女子高生って感じ」と読んだ本の感想で盛り上がった。2人は週3回、図書館を利用する。「入りやすいし、司書さんの紹介してくれる本がおもしろくて」 室内は、新刊や絵本、英語上達本など、企画コーナーがあり、書店のように飾り付けが工夫されている。ファッションやスポーツ、料理などの雑誌が並ぶ一角はくつろげるラウンジ風。木下さんは「かつては
飲酒運転の危険性を知ってもらおうと、大学生らを対象にした飲酒運転の体験講習会が20日、久留米市上津町の久留米自動車学校であった。市や久留米署などでつくる市交通安全対策協議会が開いた。 久留米工業大の学生6人が焼酎やビールなどを飲んだ後、自動車学校内の練習コースで講習用乗用車を運転した。高速で曲がる際にカーブのポールをはね飛ばしたり、狭い場所を後退する際に脱輪したりポールを倒したりと「事故」が続出。見学した学生や市交通安全協会の会員ら約50人から悲鳴があがった。 缶ビールと缶チューハイを各1本飲んで運転した3年古川貴大(たか・ひろ)さん(20)は検査の結果、呼気1リットルあたり0・07ミリグラムのアルコールが検出された。酒気帯び運転の基準値(0・15ミリグラム)未満だが、後退する際の距離感覚やハンドルさばきに苦労した。「ちょっと飲んだだけでも運転に影響が出て驚いた。周りの人にも飲酒運転の
■一審無期判決 被告側、控訴審で主張 旭川市内などで女性宅に押し入り、計8人に乱暴を繰り返したとして強盗強姦(ごうかん)罪などに問われた元旭川地裁職員、小林稔被告(25)=懲戒免職=の控訴審が14日、札幌高裁(小川育央裁判長)であった。一審・旭川地裁の裁判員裁判で求刑通り無期懲役の判決を受けた小林被告側は「刑が重すぎる」と主張。検察側は控訴の棄却を求めて結審した。判決は5月17日の予定。 小林被告は被告人質問で「有期刑を受け、もう一度、社会に出てやり直すチャンスを与えてほしい。被害者のために何かできることをしたい」と述べた。 被害者の女性の一人は、法廷で傍聴席との間に、ついたてなどをせずに意見陳述。心的外傷後ストレス障害(PTSD)が完治せず、通院していると明かし、「被告は、なぜ控訴をしたのか。無期懲役では、仮釈放後に保護観察が付くのが嫌なのか。深く反省をしていない」と時折、被告の方
大地震で千葉県浦安市などに深刻な被害をもたらした液状化現象が、横浜市でも起きている。市内の住宅街では地表から砂や水が噴き出し、家が傾いたり、道路に亀裂が入ったりした。2週間以上たった今も住民は資金面の問題などで修復に手を付けられず、不安を抱えて過ごしている。 横浜市港北区小机町の住宅街。市によると、地震の影響で少なくとも9世帯の住宅が半壊、1世帯が一部破損の被害を受けた。市は、地震によって地盤が一時的に液体のようになる液状化による被害と確認した。 液状化は埋め立て地や河口など砂質の地盤で発生し、建物を傾かせたり、沈ませたりする。県によると、被害があった一帯は、約50年前に池を埋め立てて県が分譲した土地という。 被害に遭った会社員白崎修さん(56)宅では11日の地震直後に家が傾き、玄関のドアが開かなくなった。庭からは砂や水が噴き出して土が盛り上がったり、亀裂がいくつも入ったりした。駐車
山形市のカバン販売会社「カバンのフジタ」は12日、市内の生活保護世帯などの子どもらのために、ランドセルと中学校の指定カバン計21個を市に寄贈した。同社は1956年から毎年ランドセルなどを市に贈っている。市川昭男市長は「いま話題のタイガーマスクよりずっと前から毎年寄贈して下さっている。ありがたい」と藤田宏次社長(59)に感謝状を手渡した。 同社のオリジナル商品のランドセルは一つ約3万円。市は来月中に生活保護世帯や中国からの帰国者世帯、児童養護施設「山形学園」、母子生活支援施設「むつみハイム」の子ども21人に届ける。 藤田社長は「子どもや保護者からお礼の手紙をいただくこともある。喜んでくれる人がいることが、私や社員の励みになっている」と話した。
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