依存と自立の倫理―「女/母」(わたし)の身体性から 作者: 金井淑子出版社/メーカー: ナカニシヤ出版発売日: 2011/01メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 61回この商品を含むブログ (7件) を見る 金井淑子さんの新著。ケア倫理、家族問題、親密圏、フェミニンの倫理、ケアロジー、いのちへの視座、などなど現代的な諸問題へのフェミニズムからの新しい切り口について、広域的に目配りした議論が並んでいる。マタニティ・ハラスメントの議論を経て、金井は、品川哲彦のケア倫理論を批判し、品川からは倫理への「女/母(わたし)」へのまなざしは拓きにくい、と述べる(183ページ)。 なるほどと思う反面、本書を読む私はその実存において「女/母(わたし)」ではなく、この言葉は誠実には「女/母(あなた)」と読まねばならないということをどう受け止めるかという問題が前景として浮上する。この問題系を金井自身が想