今年8月、次年度の作品募集を行わないことを発表した「文化庁メディア芸術祭」(以下、メディア芸術祭)。メディア芸術の総合祭として着実に実績を重ね、25周年を迎えた矢先だった。 本祭が実質的に終了することについて、1980年代前半からデジタルアートの企画展示に関わり、メディア芸術祭には初期の頃から審査委員、アート部門主査など様々なかたちで関わってきた早稲田大学文学学術院名誉教授の草原真知子に寄稿をしてもらった。 草原は教員として情報科学芸術大学院大学(IAMAS)やカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、早稲田大学で接した学生や卒業生が入選・受賞することも多く、彼らの喜びやその後の活躍を自分のことのように感じてきた。昨年には第24回メディア芸術祭で功労賞を受賞したほか、第25回の運営委員として審査会にオブザーバーとして出席し、総評を執筆している。 メディア芸術祭終了についての問題点 メデ