お酒を飲む人にとって他人事ではないけれども実態はよくわからない「アルコール依存症」。世の酒好きのなかには、「酒は百薬の長」という言葉が示す、飲酒の健康効果を信じたい人も多い。でもそれは医学的に正しいのか? 「元アル中」コラムニストで『上を向いてアルコール』の著者・小田嶋隆さん、酒ジャーナリストで『酒好き医師が教える最高の飲み方』の著者・葉石かおりさん、同書の監修者である肝臓専門医の浅部伸一さんが語り合います。 依存症のせいで、立ち食いそば屋を出禁になった 葉石かおり(以下、葉石):2013年の厚生労働省の調査によると、アルコール依存者数は109万人で、その下には多量飲酒者、つまりアルコール依存のハイリスク群(予備群)が980万人もいる、と推計されています。 浅部伸一(以下、浅部):小田嶋さんは、かつてこのピラミッドのトップにいたことがあるわけですが……。私も実は、自分が普段飲んでいる量から