ドライバーに不快感を与えずに眠気を覚ますシステムを、トヨタ自動車系部品大手のトヨタ紡織(愛知県刈谷市)が開発中だ。居眠り運転を防ぐことで、事故を減らすねらいだ。音で眠気を覚ます仕組みだが、流すのはけたたましい警告音ではなく、若かりし日々を思い出させる「懐メロ」だ。 愛知県豊田市の猿投工場にある研究開発拠点の一室には、運転環境を再現できる「ドライブシミュレーター」がある。このシミュレーターに社員たちが乗り込み、「眠気抑制シートシステム」のテストは繰り返されてきた。 このシステムは、運転席前のカメラでドライバーの顔を撮影。まぶたの開き具合とまばたきの頻度をもとに眠気を察知すると、車内のシートやドアに取り付けられたスピーカーから音楽が流れて、シートが振動する。そうして眠気を覚ます仕組みだ。 年齢をもとに自動で選曲 ポイントは「音楽」だ。運転中の居眠りを防ぐために警告音を鳴らす仕組みは、高級車を中