-科学の目でICRP体系を批判する- <目 次> はじめに 第1章「人の命を奪う」ことがオーソライズされた特殊産業:原発 第2章吸収線量と照射線量の混同 第3章放射線荷重係数-入力と出力の混淆- 第4章組織荷重係数と実効線量 第5章放射線被ばくの基本 終わりに はじめに 「人類が築き上げてきた文明の度合いとその豊かさの程度は最も弱い立場にある人たちをどのように遇してきたかによって判断されると私は思う。ここで扱う問題に即して言えば、放射線を浴びせられたヒバクシャの被害や、将来の時代を担う赤ん坊や子どもたちへの放射線の影響をどのように考えてきたかで測られると思う。その子どもたちの安全を守るという場合、放射線の人体への影響という科学的判断とともに、安全をどのように考えるかという社会的判断が絡むことになる。その判断は、情報と社会的な権力を握る人たちが、自分たちに都合のよいように行ってきた。その結果