世間の耳目を集めたSTAP細胞問題の中心人物、小保方晴子氏の博士号が取り消しとなった。2014年10月に早稲田大学は、小保方氏の博士論文に剽窃(ひょうせつ)など複数の不正があるとして博士号の取り消しを決めたが、大学側の教育指導責任をも認め、1年程度のうちに研究倫理教育を受けたうえで論文を訂正、再提出して審査に通れば、博士号の維持を認める、としていた。いわば執行猶予のついた博士号取り消し決定で、2015年10月30日に猶予期間が切れたため、取り消しが執行された。 大学側のさまざまな特例措置 この間、大学側は、2014年11月には指導教員を選出し、論文提出、審査のスケジュールなども小保方氏に伝えたという。大学に通学ができない小保方氏の状況を勘案し、研究倫理教育のためのe-ラーニングの受講環境を整えた。また、指導教員2名は5月以降、3度小保方氏を訪れたほか、メールや電話などで内容の確認や指導を行