38カ国で刊行され、総部数は160万部(2015年1月現在)という世界的なベストセラーとなっている「21世紀の資本」(みすず書房)。フランスの経済学者であるトマ・ピケティ氏が、15年をかけて収集された3世紀にわたる世界の税務データをもとに、富と所得の歴史的な変動について分析、格差を論じたものだ。日本でも2014年12月に刊行されたばかりだが、すでに8刷13万部と反響を呼んでいる。 そのピケティ氏が1月29日に来日、日本にピケティ・ブームを巻き起こした。4日間の滞在中、会見や講演を4本、取材15本、サイン会1本というハードスケジュールをこなしたというピケティ氏。日本でも格差が広がっていると指摘、若者優遇の税制や女性の活用を説く一方、メディアからは「アベノミクス」への評価や、日本はどのような政策を採るべきかの解答を求める質問が少なくなかった。それに対し、ピケティ氏が「私が日本に来たのは日本を学