人生の折り返し地点である40代。サラリーマンの7割が万年ヒラ社員で終わると言われている昨今、会社員として伸び悩む者が大半のなか、40代で人生を好転させる者もいる。同じ40代ながら、両者を分け隔てるものとはいったい何なのか。ここではある実例を紹介する。 食料品店を営んでいた長岡健一さんに人生の転機が訪れたのは、45歳のときだった。 「店を他人に譲って、山岳ガイドに転身することにしたんです。もともと趣味で本格的な登山を続けていて、ヒマラヤ8000m峰に登頂したこともありました。この年にして、山で生きたいという気持ちが抑えられなくなったんです」 とはいえ、中学生、高校生の2人の娘を抱え、生活にはお金がかかる時期。生業を手放しての転身に、「何考えてるの」と家族からは猛反対を受けたという。 「確かにメシは食えていましたが、長い目で見れば店舗の売り上げは落ち続けていたんです。『先を見据えると、チャレン