倭国の歴史は中国史書からでないとわかりません。『日本書紀』は8世紀初めに編纂された「やまと」の歴史書です。 倭国は中国・魏の時代にだけ存在していたわけではありません。中国は紀元前からずっと倭人を記録してきました。その中で初めて「倭人・倭・倭国」の歴史を具体的に描いたのが『魏志』倭人伝(『三国志』『魏書』烏丸鮮卑東夷伝倭人条)なのであり、この史書だけで日本の古代史がわかると思ったら大間違いです。歴史は時間の流れの中で生まれます。倭人・倭・倭国が描かれている『新唐書』までの一連の中国正史は必須であり、これらの史書を通して整合する歴史こそが正しい「日本古代史」だと考えます。 中国正史によれば、「日本古代史」は、正確には『旧唐書』までは「倭国古代史」と呼ぶべきものであり、安易に「日本古代史」というと、日本の古代を見る目を見失ってしまう恐れがあります。現在からみるから、表現方法として「日本古代史」と