女に生まれついたことが悔しかった。女であることが苦しかった。男に生まれ変わりたいと願った。でも今更、男になろうとは思わない。いくらさらしを巻き、体のラインの見えない服を着ようとも、髪を刈り、武道を習い体を鍛えても、そこまでが私の限界だった。進学先の下級生(♀)に告られ、教鞭をとった女子高で数通のファンレターをもらっただけだった。今となれば、相手の気持ちなど考えもせず舞いあがっていた、当時の自分の短絡さがイタイ。持病を抱えたとき、医師に妊婦並の高さの女性ホルモン値を指摘され、気力や気概のベクトルだけでは、生れもっての肉体を凌駕できないことを悟った*1。今は、それらの葛藤を過去形で語れる程度には、自身の性を諦観したつもりだ。 マジョリティであるだけで君臨しているケモノには腹が立つ。時に、ありえない詭弁と個人的妄想を弄し、「男ってさ」「女なんだから」という枕詞を駆使しては、殊さらに被害者を貶め、