【パリ=山口昌子】チベット騒乱での中国当局の人権弾圧に抗議して30人以上の逮捕者を出した北京五輪の聖火リレーは7日、舞台をロンドンからパリに移して行われた。激しい抗議活動を警戒し、仏治安当局は警官ら3000人を動員したが、各地でデモ参加者との小競り合いが起きるなど平和を象徴するはずの五輪の聖火は、花の都で激しく揺らいだ。 聖火は五輪メダリストら80人がリレーし、セーヌ川沿いのエッフェル塔を出発。凱旋門やシャンゼリゼ大通り、ノートルダム寺院など世界的な観光名所を通り、約28キロ先のゴール地点を目指した。ただ、聖火ランナーの周囲は、中国人の警備員や警察関係者らが二重三重に取り囲み、その前方を報道陣のカメラを乗せたトラックが走るなど、過剰なまでの警備態勢が敷かれた。 一方、パリが本部の国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」は、事前に激しい抗議行動を予告。チベット人支援組織や一般市民もデモに