No.832 [ 週刊朝日2007年4月20日号 ] “黄砂テロ”は、中国の、そして世界の水危機の表れだ 関西国際空港の視程が快晴時(4千メートル)に比べて“10分の1”となったり、名古屋市内のビル群が終日、黄色っぽいかすみにおおわれたり、日本の大気からマンガンやヒ素が通常より高い濃度で検出されたり、中国大陸から偏西風に乗って飛来する黄砂による被害は毎年ひどくなるようだ。 今年は、記録的な暖冬の影響で中国大陸でも砂が舞い上がりやすくなり、黄砂の期間も量も多くなっているという。 去年4月中旬、北京に行ったときのことだが、着陸態勢に入った飛行機から下を見ると一面砂漠が広がっているようだった。1980年代初頭、北京に住んだとき、アパートの窓をギチギチに閉めても、翌朝見ると家の中の至る所、黄砂が侵入している。黄砂は怖い。 陸続きの朝鮮半島は大変だ。去年、ソウルは延べ11日も黄砂の来襲に見舞われ、新