2023年はまさに「喪失」と「不在」の一年でした。音もまた「存在」と「不在」の間を行き来するように音楽を聴いていたように思います。 その結果でしょうか、アブストラクトなドローン、アンビエント、フィールドレコーディング作品、ミュージック・コンクレート/コラージュなどの音楽に例年以上に惹かれていました。抽象と具象のあいだにあるような感触が、不在と存在を思わせるからかもしれません。音と記憶。音と光景。音と喪失。 今年選んだアルバム数は40作品です。少し多いかなと思いましたが、どれも思い入れのある作品ばかりです。いわゆるノンビートの静謐なサウンドスケープの作品が中心です。数作、ビート/リズムの入ったアルバムもあります。本来は統一感を出したいので外そうかと思ったのですが、後年、2023年を振り返るときに入っていないと意味がないと思っていれました。 何はともあれ今回選んだ40作のアルバムは2024年の