【“貧困”無間地獄の現場】(05) 2003年『千葉少女墓石撲殺事件』の舞台――不良だらけの荒れた街が老人だけの枯れた街に 「貧しい昭和がこびり付いたような街」――『最貧困女子』(幻冬舎新書)で貧困問題を世に問うたジャーナリストの鈴木大介氏は、最貧困女子の出身地をそんな表現で語ったことがあった。その1つが千葉市の千城台、正確には千葉市若葉区の千城台市営住宅団地だ。言葉は悪いが、“最貧困女子の故郷”とでも言おうか。千葉駅からモノレールに乗り換える。タウンライナー(千葉都市モノレール)からは、新興のニュータウンと自然豊かな公園の景色が広がる。約25分、終点の千城台駅に到着する。この街は以前、取材で訪れていた。2003年10月に起こった『千葉少女墓石撲殺事件』である。犯罪史に残る陰惨且つ稚拙な事件。風俗店(抜きキャバ)で働いていた16歳の石橋裕子さんが、偽装結婚していた夫(当時22歳)に離婚を切