核問題を話し合う「モスクワ不拡散会議2017」に出席中の国際原子力機関(IAEA)元事務局長ハンス・ブリクス氏(89)が21日、朝日新聞の取材に応じ、北朝鮮外務省の崔善姫(チェソンヒ)北米局長が「(核兵器は)米国のみを狙っている」との発言について「おそらく信用できうる」と述べた。 ブリクス氏は専門家として会議に出席し、北朝鮮政府機関の研究員と共に登壇する機会もあった。北朝鮮当局者の発言などから「北朝鮮は日本と韓国における(北朝鮮に対する余計な)敵意を誘発したくない。北朝鮮は心から米国を主要な対戦相手だと見なしている」との見方を示した。 一方で、崔局長が「核兵器を他国に渡さない」と述べて、核兵器国として不拡散を誓約したことについては、疑問符をつけた。「シリアの原子炉が北朝鮮の設計だったという報告があるほか、過去にはイランとのうわさもあった。(真実だと)検証はできないと考える」と述べた。 北朝