鎌倉の鶴岡八幡宮の敷地内、池のほとりに1メートルぐらいの石が飾られていた。前には木の看板が立てられていて、そこにはこう書かれている。 「さざれ石」 さざれ石といえば、アレだ、国歌に出てくる苔のむすまでの石のことだ。看板にも、そう書いてある。 へえ、実物ってこういうのだったのかぁと、しげしげと眺めてみる。 神社に飾られていて、国歌にもうたわれるぐらいなのだから、たいそうありがたい石なんだろう。文部科学省の入口のところにも飾られている。ところで、この「さざれ石」は、そもそもどんな石で、どのあたりが「偉い」感じがするのだろうか。 国立科学博物館の地学研究部にたずねてみた。 「さざれ石というのは、もともと小さい砂利のような石を指すんです。小さいことを『さざれ』というのですが、その意味ですね」 辞書によると、「さざれ」とは、「小さい、こまかいの意」とあり、さざれいしの項目に、「小さい石」と確かに書い