(註:このエントリーはフランス人の読者を相手に、フランス語に訳されるのを前提にして書いたものです。日本語として不自然な表現や、まわりくどい説明があるのはそのためです。なおフランス語訳は鋭意翻訳中です。いましばらくお待ちください) ●序 ここでは「オタク(otaku)」と「サブカル(sabukaru)」のふたつの日本語が、対比的に扱われている。特定の文化ジャンルを指す場合は単数形、その文化ジャンルの愛好家を指す場合は複数形を用いる。 なおこのエセーは多分に筆者の個人的な体験にもとづいており、先行する文献や統計的な資料はあまり参照していない。「オタク」と「サブカル」の相違点について、自分なりの見解をまとめておきたかったのが、このエセーを書いた動機である。 また本文を読む上で注意してほしいのは、現代の日本では「文学」は「小説」とほぼ同義語として用いられていることだ。「文芸評論家」