第7話・・「てふてふ」とは何か (2004.7.25改訂) これが「てふ」だ。掌で作った符号が左右に各一個、つまり「手符」が二つで「てふてふ」となる。 いきなり答えを出してしまった。この絵が「蝶」に見えるであろうか。見えた事にしていただいて話を進めるが、どうかお許し願いたい。もちろん古代人には見えたのである。 戦前までの国語教育では「歴史的仮名遣い」を用いた。「何々でせう」「くゎじ(火事)」「けふ(今日)」などである。現在でも使っている例では「何処へ」「何を」「ゆく(行く)」などがある。この場合に限り発音とは異なる表記をする「約束」である。 「い/ゐ」「え/ゑ」「お/を」の書き分けも同じだ。且つては音も違っていたかも知れないが、ここでは問題にはしない。 その「約束」は、少なくとも千年の間、かたく守られて来た。その「守り方」はハンパではない。士農工商、寺子屋に通う子供にまで、きちん