和歌山県串本町の紀伊大島でここ数年、農産物被害が広がっているイノシシ対策として、同町須江の京都大フィールド科学教育研究センター紀伊大島実験所は、島内に分布するアオノクマタケラン(ショウガ科)をイノシシよけに使う実験を始めた。 毎晩のように出没していたイノシシの通り道などに葉を敷き詰めたところ、ほとんど寄りつかなくなり、周囲を掘り返した形跡も消えた。獣害対策の決め手に欠ける中、イノシシの行動を抑制し、被害の軽減につながるのではと期待されている。 紀伊大島に生息していなかったはずのイノシシが島内で目撃され始めたのは10年程前から。住民の間では、2001年8月の台風11号の際、古座川に流された数頭が島へ泳ぎ着いたのではとされている。 島内では、200軒以上がサツマイモやかんきつ類などを栽培しているが、ここ数年、畑が荒らされるなどの被害が急増。08年は8頭、09年は11頭が捕獲され、今年度は、5軒