はじめに 「マンガ」の定義 まづ始めにお斷りしておくが、この文章で「マンガ」と書いた場合、マンガそのもの及びアニメ、ゲームなどを引括めた意味で書いてゐる。この「アニメ・ゲーム=マンガの一形態」説は四方田 犬彦氏か夏目 房ノ介氏だつたかが確か言つてをられたのだが、つまりマンガとは元々紙の上で効果線や漫苻を使つて動きを、吹き出しや描き文字によつて音聲を表現してゐるが、アニメはそれを實際に動かし、音も本當に出るやうにしたものであり、またゲームは、特に最近はビジユアルに凝つたものが多く、「自分で動かせるアニメ」の樣相が顕著である。これらは上記のやうに表現形態に多少の違ひはあるものの、根本的な共通項がある。ひとことでいへば「オタク文化」としての性質だ。この共通項に據つて、アニメやゲームは文化としてのマンガの一形態だと看做すことができよう。 だから以下の文章で「マンガ」と表記した場合、上記のやうにアニ