ところで私は全体最適主義者で、つまり「最大多数の最大幸福のためなら少数を犠牲にすべし」を標榜しています。これは一見すると、一昨日書いた 差別のヒューリスティクスの話 と矛盾するように見えなくも無いので、その点について補足説明をば。 私が最大幸福のための犠牲を是とするには、次のような条件が付きます。同じ人ばかりが犠牲になり続けないこと。 なぜこの条件が付くかと言うと、私の言う「最大多数の最大幸福」が「全員の幸福」を指しているためです。次のような例を考えてみてください。10人のうち1人が10,000円損することによって残り9人が5000円ずつ得をする、という状況があったとしましょう。この状況で私が最良と考える行動は、「損をする人を順繰りに回して行って繰り返す」ことです。10回繰り返すと、全員が平等に35,000円ずつ得をすることになります。めでたしめでたし。 しかし損する人が固定されていたらど