著: zukkini 東京都杉並区、JR中央線にある「高円寺」。この名前を聞いてどんな街を連想するだろう。学生の街、バンドマンの街、古着の街、それとも阿波おどりの街だろうか。 そこで普通に暮らす人、ゆかりのある文化人、色んな人の色んな「高円寺論」があるが、それも人それぞれである。昔から住む人も、最近上京して住みはじめた人も、外国人も、大人も子どもも、貧乏人も金持ちも、みんなそこに馴染んでいて、何となく暮らしている「人種のるつぼ」のような街。それが高円寺ではないだろうか。 僕は学生時代の大半を高円寺で過ごした。また、社会人になっても中央線沿線からは離れず、中野、阿佐ヶ谷、武蔵小金井と住まいを変え、高円寺から微妙に距離を置きながらも、ずっとかかわり続けてきた。 僕にとっての高円寺は2つの時代がある。学生時代の貧乏生活の中で必死で生きていた暗黒の時代と、社会人になり、財布と心に余裕が出た中で気付