水中の世界と人間の住む世界には大きな隔たりがある。だからこそ、憧れが募る。そんな想いを空間でデザインとして昇華させているのがアクアリストの木村英智さんだ。独自の水槽デザインと高度な水質調整で、魚の優雅な姿とインテリアを融合させてきた。 そんな木村さんの「アートアクアリウム展」が今年も開かれている(〜9月24日まで)。会場は地下鉄三越前駅から直結のコレド室町だ。テーマを「江戸・金魚の涼」として、江戸の町に根付いた金魚鑑賞の文化を表現する。金魚の数は昨年の1.7倍だそうで、約5000匹が泳ぐ。 本展の面白さは、人間がつくりあげた優雅な空間に、魚たちの無作為の動きの美が交わるところだ。魚群がさっと動くたび、目が離せない美しさが生まれる。 会場に足を踏み入れると内部は暗く、魚たちの姿が幻想的に浮かび上がる。12種の展示が展開されているが、その中から筆者が心引かれたポイントを紹介しよう。まず奥に向か
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