今度は欧州だ。2008年のリーマン・ショックは米国発だったが、今回は欧州。1980年代末のバブル崩壊以降はある意味危機の連続とも言える日本に、「危機の発生源」として続々と欧米の先進国が加わってきている。日本は土地バブルを背景とし、米国のそれは土地に加えて金融危機の様相が強かった。そこに今回の欧州の危機だ。それは「国の実力(GDP=国内総生産)に比して国家債務のレベルが高い」「具体的にはギリシャという国が債務不履行になるかもしれない」という懸念に基づく。盛んに喧伝(けんでん)された「中国のバブル崩壊」よりも前に発生し、我々に「輪番で危機の発生源になる先進国」の印象を植え付けた。 日本のバブル崩壊やリーマン・ショックの時に比べて、「危機再来の臭い」をかぎ取ったEU(欧州連合)や国際通貨基金(IMF)の動きは素早かった。前の週(5月3日から始まる)の世界の市場の混乱ぶりに危機拡大の恐怖を抱いたE