【バンコク=深沢淳一】タイの洪水被害が拡大する中、ネットの交流サイト「フェイスブック」などで「首都バンコクが洪水になれば酸性雨が降る」などといったデマが広がり、住民の首都脱出に拍車をかけている。 政府はデマの否定に躍起だが、当局の情報が信用されていないことも風評拡大の背景にある。 タイは東南アジアの中でも、若者を中心にフェイスブックや簡易投稿サイト「ツイッター」の利用人口が多い。洪水の冠水地域が中部アユタヤからバンコクに近づくにつれ、デマも頻繁に飛び交うようになった。 「ある工場は硫酸1億トンを保管しており、冠水すれば外に漏れ、蒸発してバンコクに酸性雨を降らせる」。誰かがこうしたデマをスマートフォン(高機能携帯電話)の音声転送機能で発信し、ネット上で広がっている。 「酸性雨は洪水より危険だ。金持ちはバンコクから逃げ出した」とパニックをあおるような書き込みも見られる。 水道水についてもネット