大企業が優位な立場を使い、中小企業の独自技術やノウハウなどを不当に入手していないか、公正取引委員会が10月にも初めて、知的財産を巡る「下請けいじめ」の実態調査に乗り出す。調査を通じて独占禁止法上、問題となる行為を把握し、大企業に是正を促す方針だ。 全国約3万社を対象にアンケートや聞き取り調査を行う。製造業の中小企業が中心となる。来春にも調査結果をまとめ、悪質な事例は公表する考えだ。海外企業が日本の大企業に対し不当な取引を要求する事例も想定し、一部の大企業も対象にする。 大企業が優位な立場を使って中小企業の独自技術を不当に安く提供させたり、ノウハウが詰まった設計図を無償で提供させたりする行為は、独禁法が禁じる優越的地位の乱用にあたる恐れがある。公取委にはすでに「技術やノウハウといった知的財産を大企業に不当に吸い上げられている」といった中小企業の声が寄せられており、懸念を強めている。