特許の専門家・弁理士が、絶対的不利な状況に立ち向かう! 第20回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作『特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来』(南原詠/宝島社)は、現役弁理士が描くリーガルミステリー。女性弁理士・大鳳未来の強気なキャラクター、VTuberをめぐる特許紛争などが話題を呼び、早くも5万部を突破する勢いだ。 大手企業で働く弁理士が、なぜミステリー作家を志したのか。特許×VTuberという着想はどこから生まれたのか。そして、特許論争の面白さとは。南原詠さんにお話をうかがった。 技術の切り方にもセンスが問われる。だから、弁理士の仕事は面白い ──南原さんは企業内弁理士として働いているそうですね。もともとはエンジニアでしたが、同じ会社内で特許出願を行う知的財産部門に異動したとうかがっています。この分野に興味を持ったきっかけは? 南原詠さん(以下、南原):率直に言えば、エンジニアとして挫折
