過労死撲滅か“ブラック企業”風評防止か 企業名開示訴訟で分かれた判断 「悲惨な過労死を少しでも減らしたい」「ブラック企業と評価される」-。 社員が過労死した企業名の開示をめぐり、大阪地・高裁で判断が分かれた。 「全国過労死を考える家族の会」代表の寺西笑子さん(63)が、社員が過労死の認定を受けた企業名を大阪労働局が開示しなかったのは違法として、国に対して不開示決定の取り消しを求めた訴訟。 1審大阪地裁は企業名の開示を命じたが、2審大阪高裁は原告側の請求を棄却する逆転敗訴の判決を出した。 寺西さんは「企業名が開示されるようになれば過労死に歯止めがかかる」と訴えており、最高裁に上告。最後まで戦い抜く決意を固めている。 ■黒塗りの企業名 「真面目に働く人が過労死で亡くなっていく。命がいくつあっても使い捨てにされるばかりだ」 昨年11月29日、高裁判決を受けて大阪市内で記者会見した