ウクライナのゼレンスキー大統領が自国とイスラエルの状況を同一視したことをうけ、スロベニアの哲学者スラヴォイ・ジジェクは「ウクライナ政府もまたロシア政府と同じ“思考の罠”にはまっている」と批判した。 チェコに本拠を置くメディア「プロジェクト・シンジケート」に掲載された、ジジェクの論考をお届けする。 「解釈の自由」が自由なのか 以前、息子に塩を取ってもらうことができるか尋ねたところ、「もちろんできるよ!」と返されたことがある。もう一度尋ねると、息子は途端にこう言い返した。 「できるかって聞かれたからそう答えたんだ。取れとは言わなかったじゃないか」 この状況で、二人のうち、どちらが自由だったのだろう。私か息子か? 自由を「選択の自由」と解するなら、息子の方が自由だった。なぜなら、息子には私の質問をどう解釈するかという選択肢があったからだ。彼はそれを文字通りに受け取ることもできたし、儀礼的に質問の
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