『夏への扉』は、印象に残る映画だった。初見時に「新しいアニメに出逢った」と思った。公開されたのは1981年8月22日で、59分の中編。製作は東映動画だ。同時上映は、吉田秋生原作の『悪魔と姫ぎみ』だった。公民館やホールといったオフシアターでの上映を目的として企画された作品だったが、記憶に間違いがなければ、僕は普通の映画館で観ている。オフシアター上映のために製作したが、一般の小屋にもかけたという事だろうか。 この作品と劇場版『地球へ…』、TVスペシャル『アンドロメダ・ストーリーズ』を収録した「竹宮惠子 DVD-BOX」の解説書に、原作者の竹宮恵子、プロデューサーである田宮武の対談が掲載されている。その対談によれば、全興連(全国興行生活衛生同業組合連合会)から、通常の東映作品の興行とバッティングするという理由で、『夏への扉』の公開に横槍が入ったとある。東映動画がそんな映画を作って、同じ東映作品の