司馬遼太郎(と週刊朝日)はつくづく良い企画を思いついたよなと思う。別に司馬遼太郎に興味はなくても自分が住んでる地元が取り上げられていたらこうしてついうっかり買ってしまう。全四十三巻ある「街道をゆく」の地域ごとの売上の偏差を調べたら面白いと思うのだけど、自分が思いつくようなことは既にたぶん誰かがやっているだろう。 最初に目次を眺めたらあまり三浦半島とは関係がなさそうな「ミッドウェー海戦」という項目があったのでそこから読み始めた。するとGHQの戦史室長で『ミッドウェーの奇跡』という本を書いたゴードン・W・プランゲという名前が出てきた。江藤淳が「WGIP」を発見(発明)したという“プランゲ文庫”のプランゲだ※。が、司馬はここではプランゲ文庫に関しても、検閲についても、WGIPについても一切語っていない。 もちろん文脈上それを出す必要がなかったから出さなかったのだろう。たとえば本書の中で司馬氏は久
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