前田 「ちょっとすれ違いがある。犯罪かどうかという話をしているけれど、過失犯も犯罪だから。医療過誤は犯罪だから」 嘉山 「犯罪なのだとしたら、規定が明確にされていなければならない。しかし自然現象の上に基準を持ってくるのはなじまない。先生、これは現場の声だ」 前田 「犯罪であるもの、不透明なもの、もう少し医療側の基準で切り分けてくれるならば、処罰されるのは非常にごく一部に限られることになる。応報という言葉が反発を招いているのだとしたら不徳の致すところだが、ひどい事件があったら処罰しないわけにいかない。なので免責はできない。どんなにひどい過失でも処罰できないことになってしまう」 嘉山 「基準があると本気で思っているのか。質の問題に法を科す、そんなこと。私なんか、外来で頭を開いて助けたことがある。そんなの教科書に載ってない。助かったから感謝されたけど、死んでたら処罰されるのか。きちんと運用するか